日本超音波医学会
第47回北海道地方会学術集会


特別企画のご案内




日本超音波医学会第25回北海道地方会講習会
領域横断シンポジウム:
『超音波診断の施設間と年代間での標準化をどう進めるか?』


 社会全体の医療レベルが向上すると、いろいろな場面で “標準化(standardization)” の概念が大切になります。診断や治療の技術や考え方がいくら最新鋭で優れていても、特定の個人や施設の専売特許であり、他の誰にも真似できないものであるならば、その方法に社会的意義はありません。しかし、「社会に受け入れられるように方法が改善され、広く普及する “標準化” 」を通してその価値を高めることができます。超音波診断に関しても、社会や地域のすべての従事者により、種々の “標準化の問題” を考えるべき時を迎えているように思われます。我が国では比較的小規模な施設が地域に分散して存在し、超音波検査は小規模施設にもきわめて広く普及しています。広大な面積を有する北海道に特有の問題も含め、標準化に向けて克服すべき課題は多いと思われます。本シンポジウムでは、心臓、血管、消化器領域の超音波診断に関する施設間および年代間での標準化の重要性と具体的な方法について議論します。地域医療の質を向上させるための地域教育の在り方を含めて、今後、私たち従事者が取り組むべき具体的方策を明らかにしていきたいと思います。
 なお、本企画の内容は、当日の討論内容も含めて、後日、本学会和文機関紙である「超音波医学」に特集としてまとめて掲載する予定です。本シンポジウムのテーマにご興味のある方は、是非ご意見をお問合せフォームにご投稿いただくか、当日の会場での総合討論にご参加いただきますよう、よろしくお願いいたします。

●座長
小室 薫(国立病院機構函館病院 循環器科)
武田充人(北海道大学大学院 小児科)

●講演と討論
  1. 「問題提起:Standardizationを考える時代」
    山田 聡(北海道大学大学院 循環病態内科学)

     超音波診断に関して取り組むべき “standardization(スタンダーダイゼーション)” の問題を提起します。特に、広大な面積を有する北海道では、地域教育の難しさなどから、各施設が閉鎖的になりやすく、「自分勝手な検査」を固持している例が多いのではないかと思われます。これを克服し地域医療のレベルをさらに向上させるためには、“施設間でのstandardization” が是非とも必要です。一方、成人先天性心疾患患者が増加し、小児から成人への“移行期医療”の在り方が社会問題となっています。ここでは心エコー検査が大きな役割を果たしますが、小児と成人の心エコーは方法や基準値が大きく異なり、個々の患者の検査を成人心エコーに移行する際に大きな壁に直面します。“年代間でのstandardization” を通して、このようないわゆる “移行期心エコー” の問題にも取り組んでいかなければならないと考えます。


  2. 「心エコー:施設間でどこまで、どうやって統一するか?(仮)」
    赤坂和美(旭川医科大学病院 臨床検査・輸血部)

     心エコー検査に関する施設間の標準化をどのように考え、どう取り組むべきかをお話いただきます。施設間でルーチン検査を統一するための具体的方策と将来的展望を討論したいと思います。


  3. 「小児心エコー:断面と計測指標、基準値の実際(仮)」
    瀧聞浄宏(長野県立こども病院 循環器小児科)

     成人心エコーと対比させて、小児心エコーの方法と解釈の実際を示していただきます。小児から成人への移行期の心エコーを今後どのように進めていくべきか、その具体的方策を含めて討論したいと思います。


  4. 「血管エコー:施設間の標準化にガイドラインをどう活かすか?(仮)」
    濱口浩敏(北播磨総合医療センター 神経内科)

     診療上のニーズが拡大しつつある血管エコーの領域での施設間格差の問題を呈示し、標準化の重要性とその方策を解説いただきます。各施設がガイドラインとどのように向き合うべきか討論したいと思います。


  5. 「腹部エコー:超音波検診判定マニュアルを用いた施設間標準化への取り組みの現状と問題点(仮)」
    千葉祐子(公益社団法人 北海道労働保健管理協会)

     腹部領域では、2014年に日本超音波医学会、日本消化器がん検診学会、日本人間ドック学会から3学会共通の「超音波検診判定マニュアル」が公示されました。このマニュアルの導入による施設間標準化の現状と問題点を解説いただきます。



雑誌「超音波医学」に掲載された大会長 山田 聡先生のEditorialを以下からご覧いただけます。ご一読ください。
「超音波診断の標準化と地域教育~普遍的だからこそ、多領域だからこそ~」: Jpn J Med Ultrasonics 2017;44(4):335-6 なお、本稿は学会事務局の許可を得て、特別に掲載するものです。




日本超音波医学会第47回北海道地方会学術集会
特別セッション:
『ERで全身を診る~レクチャー&ライブデモ~』


 超音波検査は、侵襲のない安全な画像診断法として定着しており、誰もがみずからリアルタイムに施行できて多くの診療情報が得られることが最大の利点です。一方、領域ごとに高い専門性が必要であるが故、そのクオリティは検査者の力量に大きく依存します。超音波検査は、その非侵襲性とリアルタイム性から救急領域でも頻用されており、研修医を中心とした初期診療に欠かすことができませんが、この領域における系統的な教育の不足が指摘されるようになりました。このため、救急集中治療領域では近年、"point of care"をテーマにした啓蒙活動が活発になってきており、これを学ぶことでERにおける初期診断精度の向上が期待されています。
 本セッションでは、明日からの診療に役立つ知識の普及を目的として、ERで観察すべき基本的項目について、「呼吸困難、急性腹症、外傷の3つの病態での超音波検査」をテーマに、この領域の専門の先生方からレクチャー&ライブデモの形式で解説していただきます。

●座長
岡田 基(旭川医科大学 救急医学講座)
畠 二郎(川崎医科大学附属病院 内視鏡・超音波センター)


  1. 「ERで全身を診る~呼吸困難編~」
    (レクチャー25分、ライブデモ15分)

    レクチャー
    柴山謙太郎(東京ベイ・浦安市川医療センター 循環器内科)

    ライブデモ(3台同時進行)
    鈴木昭広(東京慈恵会医科大学 麻酔科学講座)
    方波見謙一(北海道大学病院 救急科)
    岡田 基(旭川医科大学 救急医学講座)


  2. 「ERで全身を診る~急性腹症編~」
    (レクチャー25分、ライブデモ15分)

    レクチャー
    畠 二郎(川崎医科大学附属病院 内視鏡・超音波センター)

    ライブデモ(3台同時進行)
    鈴木昭広(東京慈恵会医科大学 麻酔科学講座)
    方波見謙一(北海道大学病院 救急科)
    岡田 基(旭川医科大学 救急医学講座)


  3. 「ERで全身を診る~外傷編~」
    (レクチャー10分、ライブデモ10分)

    レクチャー
    鈴木昭広(東京慈恵会医科大学 麻酔科学講座)

    ライブデモ(3台同時進行)
    鈴木昭広(東京慈恵会医科大学 麻酔科学講座)
    方波見謙一(北海道大学病院 救急科)
    岡田 基(旭川医科大学 救急医学講座)

協賛(以下のメーカーの装置でライブデモを行います)
・株式会社日立製作所
・株式会社フィリップス エレクトロニクス ジャパン
・GEヘルスケア・ジャパン
・シーメンスヘルスケア株式会社
・東芝メディカルシステムズ
・富士フイルムメディカル株式会社



雑誌「超音波医学」に掲載された大阪医科大学小児科の 余田 篤先生のEditorialを以下からご覧いただけます。ご一読ください。
「小児科領域におけるPoint-of-care ultrasonography」: Jpn J Med Ultrasonics 2017;44(2):125
なお、本稿は余田先生ご本人と学会事務局の許可を得て、特別に掲載するものです。

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